通勤の道すがら、ふと足を止める瞬間があります。
見上げた先にあったのは、咲き始めたばかりの桜。
満開にはまだ早く、枝には蕾が多く残りながらも、ところどころに白い花が顔を出していました。
五分咲きほどでしょうか。完成されていないその姿に、むしろ心が惹かれます。
すべてが整う前の、静かな高揚。
春はいつも、こうして少しずつ輪郭を持ち始めます。
店でもまた、そんな季節の移ろいに寄り添うように、グラスの中の表情も変わっていきます
外の空気と、店内の時間。
どちらもゆるやかに春へと向かっています。
今夜も、静かにご来店をお待ちしております。

